法的な責任が生じるものも?遺品整理で捨ててはいけないものを解説します
2025-03-05
遺品整理・特殊清掃のクヨカサービスでございます。当社は仙台市を中心に宮城県全域、福島県・岩手県・山形県の一部エリアにて遺品整理や特殊清掃のご依頼を承っております。
遺品整理のなかで最も時間がかかるのが、遺品の仕分けです。なかでも「何を残し、何を処分するべきか」という判断に頭を痛めているという方も多いのではないでしょうか。
遺品は一度捨ててしまうと取り返しがつかないだけでなく、トラブルや不利益につながるものも少なくありません。そのため、慎重に仕分けながら作業を進める必要があります。
この記事では、遺品整理の際に捨ててはいけないものをリストにしてみました。遺品整理に取り組む際のご参考にしていただければと思います。
目次
遺品整理で捨ててはいけないのはどんなもの?
遺品整理で捨ててはいけないのは、どのようなものでしょうか?ここでは一般的なものを11つ紹介しています。
①遺言書
遺言書は故人の財産をどのように分配するか記された公的書類で、相続において最も優先されるものです。誤って廃棄したり隠匿することは、相続人の資格を失うだけでなく「私用文書等毀棄罪」に該当する可能性もあります。
遺言書には「公正証書遺言」「秘密証書遺言」「自筆証書遺言」の3種類があり、公正証書遺言と秘密証書遺言は公証役場で保管されています。自筆証書遺言は保管方法が決まっていないので、金庫や引き出しにしまわれていたり、弁護士や信頼できる知人に預けられていたりすることも。
遺言書があとから見つかると、相続手続きをやり直さなければならないケースもあるため、最初に有無をしっかり確認しましょう。
②遺書・エンディングノート
遺言書と異なり、遺書やエンディングノートには法的効力はありません。しかし葬儀や埋葬に関しての具体的な希望や、重要な情報が記されていることが多いので、相続や遺品整理を進めるうえで重要な手がかりになります。
近年では紙のノートだけでなく、デジタル形式でエンディングノートを残すケースも増えてきました。スマートフォンやPCのメモ帳アプリ、クラウド上のデータ、音声や動画の記録などが考えられます。これらを見逃さないよう、デバイスのデータも含めてしっかり確認することをおすすめします。
③現金
意図的に現金を捨てることは考えにくいですが、衣類のポケットや小物の隙間に紛れ込んでいた現金を、気づかずに処分してしまうケースは少なくありません。小額の現金やへそくりがタンスの奥や本の間など思わぬ場所に隠されていることもあります。
当社で遺品整理をお手伝いした現場でも、ご家族が一度整理した荷物やタンスの隠し引き出し、仏壇の中から現金が出てくることがよくあります。
一つひとつチェックするのはかなりの手間ですが、誤廃棄を防ぐため丁寧に確認していきましょう。
④有価証券・保険証券
故人が持っていた有価証券や保険証券は現金と同じく遺産として扱われ、相続の対象となります。最近ではネット上だけで取引が完結する、仮想通貨取引を行う方も多くなりました。
これらを遺産として引き継ぐ場合、所定の手続きを踏む必要があります。相続手続きには期限が定められているものが多いので、早めに整理することが大切です。
⑤通帳・キャッシュカード
故人の通帳やキャッシュカードは相続手続きに必要となるため、必ず保管しておきましょう。
金融機関が故人の死亡を認識した時点で名義人の口座は凍結され、預貯金の引き出しができなくなります。凍結を解除して相続人が資産を引き継ぐには、通帳またはキャッシュカードが必要です。
口座の凍結解除には除籍謄本や遺言書、遺産分割協議書などの提出も求められます。必要書類は金融機関や各ケースごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
⑤不動産の権利証
故人の所有していた土地やマンションは、現金や有価証券と同じく相続の対象となります。相続財産を明確にするために欠かせない重要書類なので、捜索の優先度は高めです。
ただし土地の権利書が見つからなくても、法務局で登記簿謄本を取得することで相続登記を行うことは可能です。
どうしても見つからない場合は、専門家に依頼することを検討するのもひとつの方法です。
⑥印鑑・印鑑登録証
故人の印鑑は相続手続きや公的な届出などで必要になるので、出てきたものはいったん保管しておくことをおすすめします。
最近ではデジタル化が進んでいるものの、印鑑がないと進められない手続きも多く、紛失すると余計な手間が発生することがあります。
印鑑登録証明書が出てきた場合、死亡届を出しているのであれば自動的に登録も抹消されるので改めて手続きを行う必要はありません。市役所に返却するか、相続手続きが完了したタイミングで破棄しましょう。
⑦本人確認書類
故人の本人確認書類はさまざまな手続きで必要となるため、誤って捨てないよう注意が必要です。おもな本人確認書類として、以下のようなものが挙げられます。
・運転免許証
・健康保険証
・介護保険証
・マイナンバーカード
・年金手帳
・パスポート
本人確認書類を故意に捨てるケースはあまりないと思いますが、長く通院していた方は、上着のポケットなどに保険証を入れっぱなしにしていることも少なくありません。
服やカバンは丁寧にチェックして、誤廃棄を防ぐようにしましょう。
⑧ローンの明細や請求書、督促状など
故人宛の請求書や支払通知書を見つけた場合は、処分せずに内容をしっかり確認しましょう。家族や親しい人にも明かしていないローンや借金があるのは、そう珍しいことではありません。
遺産相続には現金や不動産などの「プラスの財産」だけでなく、ローンや借金などの「マイナスの財産」も含まれます。引き継いだ債務は相続人に支払い義務が生じるため、滞納が続かないよう速やかに対応する必要があります。
相続人が負担しきれないほどの債務がある場合、「相続放棄」を選択することで、借金を引き継がずに済ませることもできます。ただし相続放棄をすると他の財産も一切受け取れなくなるため、慎重に判断する必要があります。
相続放棄の手続きは相続が発生してから3ヶ月以内に完了させなければなりません。故人の経済状況を把握するためにも、ローンの明細は必ず保管し、迅速に内容を確認することが重要です。
場合によっては、司法書士や弁護士といった専門家に相談することも視野に入れましょう。
⑨鍵
遺品整理の時によく見つかるのが、古い鍵です。家や使っている車の鍵はそれと分かる場所に置いてあるものですが、何に使うのか分からない鍵の扱いに困る方も多いようです。
不用品だと思って処分したもののあとから鍵が必要になり、時間や手間が余計にかかってしまったというケースも少なくありません。
引き出しや小物入れに無造作に入っている古い鍵も、いったんは保管しておくことをおすすめします。
⑩売却価値があるもの
遺品整理を進めていくなかで貴金属や骨董品など、売却価値がありそうなものが出てきても勝手に処分するのは避けましょう。
売却価値のあるものは、現金と同様に相続の対象となります。しかし素人の目では価値が分からないことも多く、専門家による鑑定が必要になるケースも。貴金属や骨董品などのコレクション類は他の遺品と一緒に処分せず、後日専門家に査定を依頼すると良いでしょう。
遺品整理業者のなかには、作業と同時に査定を行ってくれる業者もありますので、スムーズに査定を進めたい場合は、そのようなサービスを利用する方法もあります。
当社でも遺品の買い取りに力を入れています。遺品整理と買取を同時進行で行えるので、時間や手間を大幅に節約できるのもポイント。ぜひご相談ください。
⑪思い出の品
思い出の品は、それぞれにとって意味が異なります。ある人にとっては価値のないものでも、別の人には大切な思い出がつまっていることもあるでしょう。
手紙や写真、服などすべての品物を残しておくことはできませんが、一度捨ててしまうと取り返しがつきません。
残しておいてほしい品物がないか、家族や親しい親族に事前に確認しておくことをおすすめします。
遺品整理は体力的な面だけでなく、精神的にも負担がかかる作業の連続です。
どこから手をつければ良いか分からないとお悩みの方は、ぜひ当社までご相談ください。お客様のご事情や予算に応じて、最適なプランをご提案いたします。
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