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現役世代のセルフネグレクトが問題に 孤独死調査データをプロの目線で解説します

2024-08-07



生前整理・遺品整理のクヨカサービスでございます。当社は仙台市を中心に宮城県全域、福島県・岩手県・山形県の一部エリアにて遺品整理のご依頼を承っております。


「孤独死」「孤立死」という言葉が広く知られるようになって長く経ちます。当社にも毎月のように、孤独死が起きたお部屋の特殊清掃のご依頼が寄せられています。

以前は孤独死というと高齢者が多く、地域も限られているというイメージを持たれていましたが、最近の調査で現役世代の孤独死が急増しているということが分かりました。

今回は「第8回孤独死現状レポート」と産経新聞に掲載された記事をもとに、孤独死の現状や現役世代のセルフネグレクトについて考えたいと思います。


参考:産経新聞Web
日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート」「第8回孤独死現状レポート

孤独死現状レポートとは


孤独死現状レポートとは、少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者のデータを持ち寄り統計化したもので、今回が8回目のレポートになります。

孤独死現状レポートでは孤独死者の男女比や年齢、死亡原因などが集計されています。孤独死に関する分析、研究を体系的に行っているところは非常に少なく、認知度の高まりに反して実態はあまり知られていないのが現状です。

これらの調査結果は孤独死について考えるうえで、非常に有意義なものといえるでしょう。

現役世代の孤独死は増加傾向にある



レポートでは毎回、孤独死者の男女比と年齢について調査した結果が掲載されています。今回対象となった孤独死者数は8,695人。女性が1,454人だったのに対して男性が7,241人と、全体の8割以上を男性が占めています。死者数の男女比は前回とほぼ同じでしたが、総数は2,000人近くも増加しています。

特に20~59歳のいわゆる現役世代といわれる年齢層の孤独死者数が大幅に増加しており、前回の調査で2,017人だったのが、今回の調査では3,281人まで増えています。

現役世代の孤独死者数の割合が高いことは以前から指摘されていましたが、その傾向は今回も変わっていないといえます。

後ほど若年層の孤独死について調査した別のデータにも触れますが、孤独死は高齢者やごく限られた層だけの問題ではなく、誰にとっても他人事ではない問題になりつつあると考えるべきでしょう。

発見までの日数と第一発見者


次に、孤独死が発見されるまでの日数と第一発見者となった人の属性についてみていきます。

孤独死が発生してから発見されるまでの日数は平均18日で、前回とあまり差はありませんでした。平均でみると長く感じますが、実際のデータをみてみると、全体の約4割が3日以内に発見されています。

特に女性は7割以上が14日以内に発見されており、男性よりも早期発見される傾向が高いといえます。一方、男性は15日以降に発見されている割合が3割近くを占めており、発見までに時間がかかるケースも少なくないようです。


第一発見者になった人の属性は、全体で見ると管理会社や大家など職業上の関係者が約半数を占めており、近親者が第一発見者となったのは37%に過ぎませんでした。

しかし性別で分けてみていくと男性が近親者に発見される割合が突出して低く、35%にとどまりました。これは女性よりも10%以上低い数字です。このことから男性のほうが親族や地域と疎遠になり、孤立しやすい傾向にあると推測できるでしょう。

東京23区では若年層の孤独死が問題に



孤独死が限られた人たちだけのものではなく、すべての世代に関係する問題であることを解説してきました。ここからは産経新聞に掲載された記事をもとに、若年層の孤独死について考えてみたいと思います。

孤独死には遺体の検視が必要


若年層(10~30代)の孤独死に関するデータを集計したのは、東京監察医務院です。監察医務院は不自然死(死因不明の急性死や事故死など)について、死体の検案や解剖を行う機関です。

自宅で亡くなった方の場合、亡くなった場所で警察関係者による検視が行われますが、死因不明な時や事件性が疑われる際は監察医務院で遺体の検案や解剖が行われます。

監察医務院では孤独死を「自殺や死因不詳などの異状死のうち自宅で死亡した1人暮らしの人」と定義しており、平成30年の検案数は14,000体にのぼります。
参考:「東京監察医務院とは

過去3年間で742名の若年層が孤独死


東京監察医務院が令和2年までの3年間に取り扱った、若年層の孤独死は742人。30代が最も多く402人で、次いで20代が325人、15歳~19歳は15人という結果になりました。30代のほうが多いのは先に挙げた孤独死現状レポートの調査結果と同じで、これは全国的な傾向といえそうです。

発見されるまでの日数は0~3日間が最も多く437人で、半数以上は比較的短期間で発見されていることが分かります。その一方で、31日以上発見されない人も64人いました。

SNSなど外部と密に繋がっているように見える若年層でも、これだけ多くの人が誰にも看取られず亡くなっているという結果に対して、記事ではセルフネグレクトとの関係を指摘していました。

孤独死リスクと「孤独感」の深い関係



孤独死とセルフネグレクトの関係は以前から指摘されており、このコラムでも何度か解説しています。

記事では元教員の女性が、セルフネグレクトに陥った状況を語っていました。現役世代のセルフネグレクトに多くみられるのが、仕事や学校では元気に振る舞い、本当に動けなくなるまで周りに気づかれなかったというケースです。

この記事のように休職に至らなくとも、仕事や親戚づきあいはきちんとこなしているが、自宅にはごみが積み上がり、食事や着替えの気力も湧かないという人もセルフネグレクトに該当すると思われます。外から見ても分からないので、心身に深刻なダメージを負うまで周りが事態に気が付かないことも少なくありません。

この記事では語られていますが、セルフネグレクトに陥った方の多くが口にするのが「だれにも相談できなかった」という言葉です。仕事はしていても打ち解けられる人がおらず、孤独感にさいなまれ社会的に孤立していくのが、若年層におけるセルフネグレクトの特徴といえるでしょう。


孤独死は、誰にとっても他人事ではない世の中になりつつあります。もし孤独死の当事者になった際は、ぜひ当社までご相談ください。

クヨカサービスではさまざまな孤独死のケースを取り扱っており、ご依頼主様のご事情に合わせて最適な作業プランをご提案いたします。





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