社会問題化している「ゴミ屋敷症候群」高齢者が陥りやすい3つの理由とは?
2024-12-25
遺品整理・特殊清掃のクヨカサービスでございます。当社は仙台市を中心に宮城県全域、福島県・岩手県・山形県の一部エリアにて遺品整理や特殊清掃のご依頼を承っております。
「ゴミ屋敷」という言葉が一般的になり、当事者だけでなく近隣住民にも深刻な影響を与える、社会的な問題として認識されるようになりました。
ゴミ屋敷に陥りやすい人の特徴として高齢者が挙げられますが、その背景には高齢者特有の事情も関係しています。
この記事ではゴミ屋敷症候群に関する調査結果をもとに、なぜ高齢者がゴミ屋敷症候群に陥ってしまうのか考えてみたいと思います。
目次
ゴミ屋敷とは一体どういう状態を指すのか?
ゴミ屋敷が問題になっているのは、現代の日本だけではありません。欧米ではゴミ屋敷症候群のことを、古代ギリシャの哲学者ディオゲネスの名前に由来して「ディオゲネス症候群」や「老年期隠遁症候群」と呼んでいます。
時代や国は違っても、ゴミ屋敷問題は古くから存在していたことがうかがえます。
具体的にゴミ屋敷とはどのような状態を指すのでしょうか。明確なガイドラインは策定されていませんが、一般的には以下のような状態だと考えられています。
・家の敷地や部屋がゴミで埋め尽くされている
・生活空間がゴミや不用品で圧迫され、居住空間として機能していない
・家の中の大部分が、管理できていない
通常こうした状態が長期間続くと、家族や地域が介入して整理や処分を試みます。
しかし本人が「全て必要なものだ」「自分は問題なく管理できている」と主張すると、家族や支援者は引き下がるしかありません。特に持ち家の場合はその傾向が強いです。
一人暮らしをしている実家の親の様子を定期的に確認できない場合、帰省するたびにゴミが増えていることに不安を感じるが、本人が大丈夫だと言い張るのでどうしようもないとお悩みのケースも多くみられます。
ゴミ屋敷症候群に陥りやすい高齢者の特徴とは?
ゴミ屋敷症候群に陥る高齢者には、いくつかの共通する特徴があることが、東京都健康長寿医療センター研究所による調査で明らかになっています。
調査は、東京都の都市部で高齢者支援困難事例(ケアや支援に苦慮した高齢者の事例)の住環境を比較して行われました。
衛生状態や散らかり具合から「ゴミ屋敷症候群に該当する」と判断された61人と、そうでない209人を比較し、どういう人が生活を荒廃させてしまうのか分析したものです。
その結果、ゴミ屋敷症候群に陥っている方はそうでない方に比べ、
・独り暮らし
・進行した認知症
・基本的な日常生活動作の低下
の3項目に当てはまる割合が高いことが分かりました。
参考:「時事メディカル」
独り暮らし
ひとりで暮らしている方がゴミ屋敷になりやすいというのは、必ずしも高齢者に限った話ではありません。会社員の方や若い女性などでゴミ屋敷症候群に陥ってしまう方の多くは、都市部に暮らす単身世帯です。
高齢者の場合、子どもや配偶者と一緒に住んでいた家に一人で住み続けている人も多いものです。広すぎる家を持てあましてしまい、いつのまにかゴミが溜まってしまったという例も。
もともと片付けが苦手で散らかった状態に違和感を覚えないケースや、強い孤独感から住環境を清潔に保つ気力を失ってしまうケースもみられます。
進行した認知症
ゴミ屋敷症候群と関連が深い認知症の症状として「収集癖」と「セルフネグレクト」が挙げられます。
収集癖は必要以上に物を集めて部屋を埋め尽くし、時には外からゴミを拾ってきて部屋に持ち込んでしまうこともあります。当社に寄せられたご相談のなかでも「外から粗大ごみを拾ってくるので、捨てようとすると怒るので困っているというものがありました。」
「セルフネグレクト」は自分の衛生や健康に無関心になるもので、部屋をきれいに保つことが難しくなります。
・ゴミを溜め込んでしまう
・室内を清潔に保つことができない
・ごみや不用品を処分できない
など、自分の住む部屋を清潔で健康的に保つことが難しくなるのも、認知症の症状といえるでしょう。他人の干渉を嫌い、部屋や自宅の敷地に入られるのを拒むというのも特徴です。
基本的な生活能力の低下
これまで解説してきた内容と重複しますが、病気や認知症でなくとも、加齢による気力・体力・判断力の低下は生活能力に大きく影響します。
高齢者にとって日常的な掃除やゴミ捨てといった家事は、私達が想像する以上に体力や気力を消耗するものです。
以前はきれい好きだったのにゴミ屋敷化してしまったという方のなかには、病気などがきっかけで体力が衰え、気がついたら手に負えない状態になっていたというケースも。
思うように掃除ができないことで、心身ともに悪影響を受けて状態が悪化することもあります。
今回判明した3つの要因は、誰しもがゴミ屋敷症候群に陥る可能性があるということを示唆しています。
それでは自分や身近な方がそうならないために、どのようなことを留意すれば良いでしょうか?
ゴミ屋敷化を防ぐために必要な支援とは?
ゴミ屋敷症候群の改善は、ただ家を片付ければ良いというわけではありません。ゴミ屋敷化した背景にどのような問題がひそんでいるのか考え、本人の気持ちや事情に寄り添った適切な支援を行うことが重要です。
すでにゴミ屋敷化しているという場合、本人や家族だけの力で根本的な改善を図るのは困難です。介護事業者や行政、プロの清掃業者の助けを借りることも検討しましょう。
クヨカサービスでは高齢の方が安心して清潔な環境で暮らせるよう、さまざまなお手伝いをしています。
どこから手を付けて良いのか分からないほど散らかった実家のお片付けなど、お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
業務経験豊富なスタッフが、お客様のご事情に合わせて詳細なお見積りを提示させていただきます。
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