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特殊清掃という仕事 ※長文です。


遺品整理・特殊清掃のクヨカサービスでございます。
今回は近年社会問題化している、「孤立死」と「その後の対応」について書かせていただきます。


昨今は少子高齢化が進み、それに伴って増加しているのが孤立死です。
少子高齢化は核家族化に拍車をかけ、結果として高齢者が一人で生活することになる、いわゆる独居老人の割合が増える傾向にあります。


さらに現在は夫婦の離婚の件数が増えており、熟年離婚が独居老人増加につながるというデータもあります。孤立死とは一人で生活している人がある日、誰にも看取られることなく亡くなってしまうことです。独居老人が増えるということは必然的に高齢者の孤立死が増えるということです。


孤立死はとても悲しい出来事です。自分の周囲でそういったことが起きたとき、ある程度の知識があればそれなりに覚悟をもって望むこともできるはずです。故人のためにもそういった際には適切な措置で見送ってあげるのが何よりの手向けとなると考えおります。


本稿では孤立死や自殺が発生した際、その現場で必要となる特別な清掃、【特殊清掃】について解説します。孤立死の際の遺品の整理についても言及します。本稿を読み、孤立死の際に必要となる特殊清掃についての理解が深まれば幸いです。

■特殊清掃の現場について

孤立死とは自殺も含め、誰にも看取られることなく一人で亡くなってしまう場合を指し、そういった際にその現場で必要となるのが特殊清掃です。特殊清掃が必要となる現場の多くは自宅で孤立死したケースです。


実際問題、特殊清掃の依頼が多いのは賃貸住宅です。故人が「所有」していた戸建てや分譲マンションなどの場合は身内が片づけをするケースが多いです。賃貸以外のケースでも家族から特殊清掃の依頼が来る場合もあります。


孤立死になんらかの不審な点があり、警察や行政の調査が入った場合は、特殊清掃の依頼がとても多く入ります。ここからは賃貸住宅において自殺が発生した際の事例を用いて特殊清掃の具体的な流れを解説します。


事例1 賃貸住宅で自殺者が出た場合

賃貸住宅に一人暮らしをしている人が、その部屋で自殺をしてしまったとき、多くの場合はその物件の管理会社や大家に当たる人から特殊清掃の依頼がきます。


特殊清掃は通常、遺品整理と同様に遺族の確認や警察の現場検証の後に行います。そのため特殊清掃に取り掛かる際、現場にはすでに遺体はない場合がほとんどです。しかし稀に特別な事情によって遺体を片付ける前に特殊清掃が入る場合もあります。その際は遺体を毛布などでくるみ、部屋から運び出します。この運び出しの際は遺体といえども慎重且つ丁寧に扱います。


遺体を運び出した後、部屋にあるものを全て破棄し、部屋をキレイな状態にします。これは賃貸住宅で、部屋を引き払う際に部屋から私物を全て撤去するのと同じ考えです。通常、特殊清掃は遺品整理の後に行います。そのため部屋に残っている物はすべて不用品のため廃棄します。これが特殊清掃の主な仕事の一つです。


そしてもう一つの特殊清掃ならではの仕事は、臭いやシミの清掃です。自殺が起きた現場の臭いは非常に強く、シミも大量に出ます。もしその部屋が畳敷きの場合、その畳は全て取り換える必要があります。


例えば、自殺から3日くらい経過した場合、遺体からは大量の体液が染み出るため、もし遺体が部屋に横たわる状態の場合は床に人間型のシミが出来てしまいます。そして遺体は3日も立つと生肉と内臓が腐敗し非常に強い悪臭を放ちます。


以上のように、自殺や孤立死で遺体が長時間あった部屋はとても強い悪臭と汚れが発生してしまうため、それを処理するのが特殊清掃の大切な役割なのです。


特殊清掃の際に必要な準備

上記の事例を読んでいただければ特殊清掃は遺体があった場所の清掃が主な目的であるとご理解いただけたと思います。また場合によっては遺体がまだ残っている状態で特殊清掃が入る場合もあります。どちらにしても通常のハウスクリーニングとは状況が異なるため、特殊清掃の際はそれなりの準備が必要です。事例2の解説の前にその点を少し言及しておきます。


特殊清掃の際は特殊なゴーグルと全身防護服を着用します。医療用や特殊現場用の特別なマスクも着用します。これらは特に規定があるわけではありませんが、特殊清掃は通常、非常に堅固な防備で取り掛かります。手袋は軍手ではなく厚手のゴム手袋です。これらの厳重な防備は、感染症予防が主な目的です。


遺体が長時間放置されていた場所にはどんなウィルスや雑菌が存在するかわからないのです。


事例2 孤立死の場合

冒頭でも述べたように日本は昨今、少子高齢化が進み、その影響もあって独居老人の割合が増えています。それに伴って独居老人の孤立死も増加傾向にあり、日本が抱える高齢化社会に大きな影を落としています。


地方自治体レベルで、独居老人の家を定期的に訪ねて元気かどうかを確認するような取り組みをするケースはありますが、人件費などの問題で充分とはいえないのが現状です。行政は基本的に住民票の情報をもとに独居老人の存在を確認します。しかし住民票の現住所に必ず住んでいるとは限らず、行政が独居老人を把握するのにも限度があります。


独居老人は多くの場合が決して裕福でなく、いわゆる貧困層である場合が多いです。生活保護を受給しているケースもありますが、中には貧困に直面していても生活保護を受けていない独居老人も多いと推察されています。こういったケースは孤立死に繋がりやすく、早急に対策が求められます。


警察は原則的に何か起きないと動けないため、孤立死の抑止に貢献するのは難しいのが現状です。


以上のことから高齢者の一人暮らし、いわゆる独居老人の孤立死は発生から数日~数カ月が経過してから発見、という例が多いという特徴があります。


例えば賃貸住宅での独居老人の孤立死の場合、家賃が滞納して初めて気づくケースや、近隣住民が異臭で気付くケースが多くみられます。いずれにしても死後、かなり経過していることになります。


身寄りのない独居老人の孤立死の場合、特殊清掃の費用をだれが負担するのか?遺品の整理はどうするのか?といった問題が生じます。多くの場合、特殊清掃はその賃貸住宅の管理会社が負担することになります。遺品整理をする遺族がいない場合は、【遺品整理士】がいる弊社のような専門の業者に依頼される場合が多いです。


全く身寄りがない独居老人の孤立死の場合で特殊清掃の依頼が入った場合、遺品整理などはされないケースがほとんどなので単純に部屋を空っぽの状態にするのが目的となります。つまり部屋を引き払い、賃貸契約を解除するための清掃です。


多くの場合、こういったケースで特殊清掃の依頼をするのは大家に当たる立場の人です。例えば亡くなった場所がトイレや浴槽だった場合は、そこを全て取り壊すことも珍しくありません。畳や壁紙の張替はほぼ必須となり、大掛かりなハウスクリーニングとなります。


依頼する大家の中には費用の都合で、ごく通常のハウスクリーニングのみで済まそうとするケースもありますが、結果的に数日で臭いが戻ってきてしまうのがほとんどです。死臭の除去というのは、想像以上に技術と経験と時間が必要なのです。


このような事例は遺品整理も込みの特殊清掃となる場合が多く、産業廃棄物処理の必要が生ずる場合も珍しくないため、大掛かりな清掃となることが多いです。


特殊清掃という職業の特徴

実際に特殊清掃とはどのような仕事なのか?特殊清掃の世界を具体的に解説します。


特殊清掃の仕事はハウスクリーニングの業種に分類されますが、ハウスクリーニングの世界でもその道のエキスパートが集まる傾向にあります。特殊清掃は厳しい環境下での業務といえます。そのため好んでやりたがる人はあまりいなく、年配者の退職後のセカンドキャリアにも選択しにくい職業です。


基本的に肉体労働であり、かなりの経験を積まないと出来ない職業だからです。ただ部屋を掃除するだけでなく、時には畳を取り外して運ぶといった作業も行います。そういった力仕事も多いため、携わる人のほとんどが男性です。


特殊清掃の具体的な仕事内容

特殊清掃の具体的な仕事内容をまとめると以下のようになります。

・部屋を清掃して引き払える状態にする
・徹底した消臭と除菌
・畳や天井、クロスの張り替え
・バスタブの撤去と設置
・キッチン設備の撤去と設置
・トイレ設備の撤去と設置

以上のような作業を必要に応じて行います。例えばトイレで自殺し、遺体が数日間そのままだった場合、トイレ設備の全面的な撤去と再設置が必要になります。


賃貸住宅の場合、事故があった部屋だけでなく、その両隣や上下階の部屋の清掃が必要になる場合もあります。ごく小規模な集合住宅の場合は建物自体の大規模リフォームが必要となる場合もあります。


特殊清掃は防護服に防護マスク、特殊なゴーグルという完全防備で行います。一度使った防護服などは衛生面の関係で使い捨てとなります。このため特殊清掃に使われる装備はほとんど消耗品であり、それも費用としてかかります。


ちなみにどんなに厳重な防備をして作業に当たっても、手や服にはニオイが残ってしまいます。完全にニオイを消すのは難しく、特殊清掃に携わる場合はそういった覚悟も必要になります。


特殊清掃という仕事のあり方について思うこと

ここまでの解説で、特殊清掃はとても過酷な環境下での仕事であり、仕事場は主に病死や自殺が発生した部屋、殺人現場やゴミ屋敷です。


実際に自殺する人は自室で行うことが多く、さらに独居老人の孤立死も増えています。今後も特殊清掃の需要は増えることはあっても、減るという将来は考えづらいです。


特殊清掃は今の社会に必要とされる業種なのです。


あまり知識のない人には、こういった作業は行政や警察の領分と考えている人もいるかもしれません。しかし現実は行政が関わることがあっても、それは行政が特殊清掃の依頼主になる、という形です。


現在はインターネットの普及とともに急速に【個】の社会が進行しつつあるように感じます。集合住宅で一つの建物に住む人たちでもほとんど話したことがない、隣人の素性はほとんど知らないという状況も珍しいことではありません。


さらに、昨今のプライバシー問題、個人情報漏えい問題なども【個】の社会の後押しになっているのかもしれません。このようなことから、繰り返しになりますが、今後も孤立死や自殺は増えることはあっても減ることは考えにくく、弊社のような特殊清掃を請け負う会社の絶対数は減らすことが出来ない未来が予想されます。


今後も特殊清掃の需要は増え、もしかしたら行政が管理することが必要に迫られる時代がくるかもしれません。どんなに機械やコンピューターが発達しても人の手でしか出来ない仕事はたくさんあります。特殊清掃の仕事はその典型だと思います。どんなに洗浄力が強い自動清掃機が開発されても特殊清掃の現場には臨機応変に判断をする人間が必要不可欠なのです。


特殊清掃のご依頼について

弊社は特殊清掃士・遺品整理士の資格を持つ専門スタッフを揃え、ご依頼を請け負っております。多くの現場を経験したベテランスタッフを中心に構成しているため、安心してご依頼ください。ご依頼があった場合は、故人に対して必ず供養を行ってから作業に入る、というスタイルを徹底しています。


スケジュールは出来る限り柔軟に対応し、誠心誠意サービスを行うことを第一としておりますので、特殊清掃や遺品整理が必要な際は是非、弊社へご連絡ください。





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