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孤独死予備軍は全体の6割?「第7回孤独死現状レポート」を解説します

2024-04-24



遺品整理・特殊清掃のクヨカサービスでございます。当社は仙台市を中心に宮城県全域、福島県・岩手県・山形県の一部エリアにて遺品整理のご依頼を承っております。

核家族化やライフスタイルの変化により、ひとりで暮らす単身世帯は年々増加しています。それに伴って孤独死も増加傾向にあります。

一般社団法人 日本少額短期保険協会では2016年から孤独死の現状や問題点について分析し、レポートとして発表してきました。孤独死の問題は以前から指摘されていましたが、大規模な研究や分析はあまり進んでいないのが現状です。

本レポートは、賃貸住居内における孤独死の実像を統計データで示した貴重な資料です。この記事ではプロの遺品整理業者の視点で、本レポートを読み解き解説します。

参考: 一般社団法人 日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート

世帯構成や男女比からみる孤独死リスク



本レポートにおいて孤独死とは「賃貸住宅居室内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」と定義されています。その観点からみると、単身世帯の方は最も孤独死リスクが高いといえます。


令和2年の国勢調査によると、全世帯構成における単身世帯の割合は38.1%。約40%にのぼりました。これは2005年と比較して10ポイント以上高い数値です。さらに夫婦のみの世帯も0.5ポイント増加。全体でみると、孤独死のリスクが高いとされる単身と夫婦のみの世帯が全体の6割近くまで増加していることが分かりました。


夫婦+子どもの世帯は孤独死リスクが低いとされていますが、子どもが成長して独立すれば単身+夫婦のみの2世帯となります。そういった意味からも、孤独死は誰にとっても身近なものになりつつあるといえるでしょう。

このことは孤独死者の平均年齢が約62歳と、平均寿命より大幅に若いという結果からもうかがえます。孤独死というと単身高齢世帯に多いというイメージがありますが、孤独死の約40%は59歳未満の現役世代です。働き盛りと呼ばれ、社会とのつながりが強いとされている世代でも孤独死は他人事でないということですね。

女性の孤独死者にみられる問題



孤独死現状レポートにおいて第一回から指摘されていたのが、自殺による孤独死者のなかで、20代女性が突出して多いという問題です。

30代以上の孤独死者のなかで自殺者が占める割合が約12%なのに対して、20代女性の割合は38.3%と飛びぬけて高い数値を示しています。20代は病死などで亡くなる方が比較的少ないため、自殺者の割合が高くなるように思えます。

しかし20代男性の割合は22.8%と、30~40代男性とあまり変わらない数値でした。また、厚労省・警察庁が調査した全国の自殺者の割合においても、20代の自殺率は16.0%に留まっています。


20代の単身世代はほとんどが賃貸住宅に住んでいるという事実を踏まえても、20代女性の自殺率の高さには何らかの問題が潜んでいるように思えます。
この結果から本レポートでは、若い世代の賃貸入居者に自殺を誘引する要素が特に強いのではないかと推測するとともに、専門家による原因解明が必要だとしています。

孤独死発生から発見までの日数は平均18日



孤独死が発生してから発見されるまでの単純平均日数は、18日と約2週間強という結果が出ました。しかし実際には40%が3日以内に発見されています。特に女性は半数近くが3日以内に発見されているようです。

当社でも多数の遺品整理や特殊清掃を行っていますが、3日以内にご遺体が発見されている場合は、現場の匂いや汚染も比較的軽度で済むケースが多いです。一方、2週間以上経ったご遺体は冬季でも傷みが激しく、現場は凄惨な状況になります。

第一発見者となるのは不動産管理会社やオーナーなど職業上の関係者が最も多く、次いで親族となっていました。

亡くなってから時間が経ち、部屋の外まで臭いや害虫が漏れ出したことで孤独死が発覚するケースも少なくありませんが、同僚や友人では鍵を開けられないため、管理会社や大家さんに依頼して部屋を開けてもらった事例も多分に含まれていると考えられます。


職業上の関係者が第一発見者になることが多いというのは、親族同士の付き合いが希薄になっているというあらわれのようにも思えます。しかし都会で働く単身者にとっては、遠方に住んでいる親族よりも近くに住んでいる同僚や友人のほうが身近な存在なのかもしれないとも思える結果でした。

コロナ禍における孤独死の現状



社会が大きく変貌したコロナ禍において、孤独死を取り巻く環境はどのように変わったのでしょうか。本レポートでは2020年1月~2022年3月を対象に分析を行っています。


コロナ禍が始まった当初、単身者が自宅療養中に急変して亡くなる事例が相次ぎ、大きな問題になりました。
しかし孤独死という観点からみると、孤独死者数が大きく増えたというデータは見受けられませんでした。


データ上ではっきりとした違いが出ていたのは、発見されるまでの日数と第一発見者です。累積データでは発見されるまでの日数は18日、第一発見者は職業上の関係者が最多でした。しかしコロナ禍においては発見されるまでの平均日数は15日、第一発見者は親族が最も多くなっています。

これは直接行き来する機会が減ったぶん、親族同士が意識して連絡を取り合うようになったことや、医療や福祉従事者による電話や見回りの支援が行われたからだと考えられます。


孤独死現状レポートは今回で7回目となりますが、孤独死の問題は年々拡大しているように思います。
孤独死を防ぐうえで非常に重要なのは、社会とのつながりを持つことです。現役世代であっても孤独死は他人事ではないという意識を持ち、自分や周りに何ができるかを考え続けることが大切です。





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